Genovaについて

• 特徴
• 利用上の注意
• プログラムの構成

1. アプレットとして使用できる：Java言語で作成されており， アプレットとしてWeb上で実行できる．

2. 各種の遺伝子表現に対応できる：遺伝子表現によりつぎの2種を標準と している．

   • ビットストリング表現用：Genova-b
   • 整数の順序表現用：Genova-p

3. 各種条件での実行が可能：Web上の条件設定メニューで 各種パラメータ値，シミュレーション条件などを設定ができ， これらを変えてシミュレーションを行い，比較することができる． また実行結果(グラフィック表示など）を世代をさかのぼってその進展状況を 見ることができる．

4. グラフィック機能が充実：シミュレーション結果などをグラフィックスを 利用して，視覚的に見ることできる．

5. オブジェクトの採用：オブジェクトプログラミング手法を採用し， 適用対象により変わる部分を別個のオブジェクトとして分けることにより， プログラムの修正，追加が容易になっている．

1. Genova-b(ビットストリング用)：主な事項のみを記す．

   • 組み込まれている遺伝的操作：

     • 遺伝子表現：バイナリービットストリング
     • 選択操作：ルーレットホイール選択，ランク選択，エリート選択
     • 交叉：一点，多点, 一様交叉
     • 突然変異

   • 利用者が作成すべきもの：

     • 適合値の計算：独立のオブジェクトであるパッケージを作成し， ここに個別問題ごとに作成する必要のある適合値の計算関係をまとめている．
     • メニュー関係：入力，パラメータ値，シミュレーション条件などを設定する メニューは問題ごとに作成する必要がある．ただ，パターン化されている ので，難しくはない．
     • グラフィックス関係：表示や適合値の世代による変化などを示すグラフや 図など．グラフィックスの部品は標準のものが使用できる．

2. Genova-b(順序表現用)：主な事項のみを記す．

   • 組み込まれている遺伝的操作：

     • 遺伝子表現：整数の順序表現
     • 選択操作：ランク選択，エリート選択
     • 交叉：辺再組合せ交叉，順序交叉，循環交叉，部分写像交叉
     • 突然変異：スワップ法

   • 利用者が作成すべきもの：前項のGenova-b と同様．

プログラムは全体の中心になるアプレットプログラムと以下に述べる各パッケージの プログラムから構成されている．まずアプレットプログラムはつぎの部分から 構成されている．

• 大域変数を含む変数の定義
• 初期化
• アプレット関係：init(), action()などのメソッド
• 各パッケージのプログラムとの交信
• その他，補助的なメソッド

つぎにパッケージ部分は以下の構成になっている．

1. Chromosome package：遺伝子表現に関するプログラムを収納している． 遺伝子の作成，初期化，突然変異(スワップ方法)，コピーなど．この部分は共通に 使用でき，適用対象によって変える必要はない．

2. Selection package：選択に関するプログラムを収納している． ランク選択，エリート選択の機能がある．この部分も共通に使用でき， 適用により変更する必要はない．

3. Crossover package：交叉に関するプログラムを収納している． 順序表現では各種の方式：辺再組合せ交叉，順序交叉，循環交叉，部分複写交叉 などが使用者により選択できるようになっている．この部分も共通に使用できる．

4. Cities package：巡回都市に関するプログラムを収納している． この部分は適用対象により異なってくる．機能は遺伝子表現を受けて適合値を 計算する部分が中心になる．

5. LocFrame package：各都市の位置をマウスで入力するプログラムを 収納している．従って，この部分は適用対象により変わってくる．

6. Graphs package：グラフィックな表示の機能であり，2種類の表示を用意 している．ひとつは世代による適合値の変化の表示であり，この部分は共通に 使用できる．今ひとつは用途に関係あるもので，このTSPの例では巡回経路の グラフ表示である．

7. GAutilities package：共通のユティリティプログラムで，主なものは 乱数発生プログラムである．